理学療法士の学生には、
- 見学実習
- 評価実習
- 総合臨床実習
の3つがあります。
実習の日が近づくと不安になり、
事前準備は何をすればいいんだろう?
このような悩みを持っている方も多いと思います。
私も初めての見学実習のときは、何を準備したらいいのか?と悩んだことを覚えています。
この記事では、
実習前にどんな事前準備をすればいいのか?
ということについて記事にしています。
先に、簡単に結論を言ってしまうと、この事前準備とは、
- 実習先の病院を調べること。
- 実習先の病院で多い疾患(病気)について調べること。
この2点です。
この記事を読むと、
- 実習前の不安を解消できる。
- 実習中に出される課題に要する時間を減らすことができる。
- 睡眠時間が確保でき、よりよい実習を行うことができる。
このようなメリットがあります。
事前準備で悩まれている学生は、ぜひ最後までお読みください。
実習先の病院を調べる
実習先が決まったら、1番にその実習先のことを調べてください。
これは実習に限らず、どこか見知らぬところに遊びに行くときもそうですよね?
例えば、ディズニーランドに行ったことがなければ、
- どんなアトラクションがあるか?
- どんなマップか?
- 効率良くアトラクションを楽しむにはどうすればいいか?
- パレードは何時からか?
等、1回は調べますよね?
この作業は非常に重要です。
次に、調べるポイントを3つ記載します。
どんな病院か
1つ目は実習先の病院がどのような病院なのかを調べておきましょう。
具体的には・・・
- 急性期・回復期・維持期なのか
- 整形・脳血管・内科なのか
- 院長はどんな人なのか
- どんな手術が多いのか
等は最低でも調べておきましょう(調べてわからなければ、それでかまいません)。
どのような方法で調べるか記載していきます。
ネットで調べる
最近はほとんどの病院にホームページがあります。
病院によって異なりますが、しっかりとホームページを作成している病院では、さきほど記載した内容は全て記載されています。
中には、リハビリ室の写真やリハビリしている風景を撮影してアップしているところもあります。
病院によっては、ブログやフェイスブックなどSNSを活用しているところもありますので、きちんと調べておきましょう。
先生や先輩に聞く
養成校は多くの場合、実習先の病院の基本情報を持っています。先生に聞いて、情報をもらいましょう。
学校の先生も元は病院で勤務していた経験もあるため、ネットには掲載されていない情報を持っていることがあります。
場合によっては、病院内外で活躍しているPTの名前とかも知ってたりします。そのような先生が実習先にいる場合は聞いておきましょう。色々と勉強になるはずです。
余裕があれば、自分が行く実習先に行ったことのある先輩に話しを聞いてみましょう。
先輩と話しするのは勇気がいることかもしれませんが、実際に行ったことのある人の話しを聞くのが1番参考になります。
どういうことに注意したらいいのか、細かいところまで教えてくれる人もいるはずですよ。
どんな疾患が多いか
2つ目はどのような疾患が多いのかチェックしておきましょう。
手術件数とかホームページに記載されていたら、要チェックです。手術後には多くの場合リハビリがあるので、必然的に実習で遭遇することが多くなります。
厚生労働省の資料で『患者に触れる臨床実習で経験した症例』というデータがあったので記載しておきます。
中枢神経疾患と整形外科疾患はPT・OTともに経験する機会が多いようです。
特徴としては、PTは循環器疾患や呼吸器疾患、OTでは精神疾患に触れる機会が多いようですね。
このような資料も参考にしてみてください。
後に記載しますが、多い疾患をチェックしたらその疾患について調べてください。
実習先までどのくらいかかるか
3つ目は通う場所から実習先までの距離や要する時間を調べておきましょう。
通う方法が、
- 自転車
- 自動車
- バイク
- 公共交通機関
- 徒歩
と様々ありますが、実際に通う方法でどのくらい時間がかかるか調べてください。
初日から遅刻になったら最悪です。
実習が始まる前から印象が悪くなるので、遅刻は絶対に避けてください。
自動車で実習先に行くことは、事故等の関係で病院や学校から禁止されていることもあると思いますが、公共交通機関がない、自宅から遠い等の理由で許可される場合もあります。自動車で行く際は、渋滞が発生することも考慮しましょう。
多い疾患を調べる
実習先の病院について調べたら次はその病院の多い疾患に関して調べます。
実習では、多く質問をされます。答えることが出来なければ、『課題』となることもあります(教えてくれる方もいますが)。
最近ではこのような『課題』は減少傾向にありますが、帰ってからの作業が増えると、睡眠時間が減り、実習中に眠気に襲われます。
実際にデータもあるので添付しておきます。
要するに、
『毎日自宅に課題を持ち帰り、その課題に3時間以上かかり、普段よりも睡眠時間が3~4時間少ない』
という人が多いわけです。結果、
『心身に不調をきたしたことがある学生が約50%』
となっているようです。
事前に基本的なことは勉強しておいて、答えることが出来れば、課題が少なくなる可能性があります。
少し前のデータであり、現在は実習生に対する対応も改善傾向にあり、無理な課題(量的)は減少傾向にあります。しかし、昔と変わらない指導を行っている病院が「ない」とは言い切れません。どちらにしても、基本的なことは勉強しておきましょう。
文献を調べる
学校には図書室という学生には最強の武器庫があります。多いに活用しましょう。
どの学校にも文献はあると思います。
有名なところで言えば、
- 理学療法ジャーナル
- 理学療法
- メディカルリハビリテーション
- クリニカルリハビリテーション
はあると思います(なかったらすみません)。
このあたりを調べてみましょう。
文献って多いし、どれから手をつけたらいいかわからない・・・
と思われる方もいると思います。
ですので、実際に私が調べる方法を記載します。
今回はわかりやすく、大腿骨頸部骨折を調べると仮定します。
流れにすると、
- どの文献でもいいので、大腿骨頸部骨折について書かれている最新巻をみつける。
- 見つけたら、その文献の目次を見て気になる記事を探してサッと読む。
- 読んだら、その記事の最後にある、参考文献をみる。
この流れです。
参考文献をみると、『どの文献の何年の何月号の何ページか』、まで記載されているので、それを調べます。
ここで大事なことは、理解することではなく、あくまで多くの資料を集めることに徹底してください。
まずは資料集めが重要です。
まとめてレポートにしておく
ある程度文献を集めたら、ここから読み始めてください。
同じような内容を書いていることが多々ありますが、それは重要だということです。
文献を読み慣れてくると、読みやすい文献を見つけることができます。
自分が読みやすいと思った文献は『誰が書いたか、どの病院が発表したものか』をチェックしておいてください。
それがチェックできれば、次回調べるときの参考文献で名前を追っていけば、自分にとって読みやすい文献を集めることが出来ます。
次は文献や学校でもらった授業の資料を元にレポートを作成しましょう。
誰かに教えるという気持ちで作成しましょう。
ざっくりですが、大腿骨頸部骨折の場合
- 受傷機転
- 骨折の分類(Ope適応の分類)
- 手術の方法(種類と侵入方法)
- 脱臼肢位(術式ごとの肢位とその理由)
- 筋力低下が起きやすい筋、とその理由
- 特徴的な歩行
- ADLの注意事項
などがあげられます。
レポートにしたことは出来れば覚えておいてください。覚える方法としてはアウトプットが有効です。
どういうことかというと、誰かに教えるということです。
レポートを作成することはインプット、勉強したことを伝えるのがアウトプットになります。
アウトプットすることで、記憶により残るようになります。
できるだけ、多くの人を巻き込み、それぞれで違う疾患についてまとめておくことで、より短時間で多くの資料を手入れることが出来ますよ。1人でしないことが大事です。
まとめ
今回はどの実習前にも共通して必要な事前準備 に関して記載しました。
事前準備がどれだけ重要か理解して頂けたかと思います。
実習で大事なことは、現場でしか学べないことをしっかりと学ぶことです。
そして、『実習で今の自分に足りないことにどれだけ気付くことができるか』が重要になります。
実習中に学校で学べることや書籍で学べることに時間を取られ、睡眠時間が少なくなり、実習中に集中力がなくなることは絶対に避けるべきです。
ですが、事前準備が不十分で寝不足になっている学生が本当に多いです。
この事前準備は非常に時間がかかります。簡単に出来ることではありません。
十分な事前準備を行い、ぜひ実習を楽しんでください。
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